志人の音源紹介

何点か買い逃したものもありますが、志人の音源はほぼコンプしているので、ご紹介いたします。量が多いので、ぼちぼち更新していきます。入手困難品が多いと思いますが、興味を持たれたかたは何とかして手に入れていただければと・・・

アヤワスカEP

2005年10月発売。「アヤワスカ」はこの12インチにのみ収録されている。志人の作品の中で、最も手に入れづらいものの一つだろう。ラップは志人のみ。トラックはonimasのみ。降神の「望」とHeaven’s 恋文の間で零れ落ちた曲、という印象。曲自体がまさにそのように二つに分かれている。

続きを読む

新宿ホワイトハウスをめぐる冒険(7)

新宿ホワイトハウスはChim↑Pomのスタジオから、会員制のアートスペース「White House」へと運用が変わったらしい(参照:美術手帖)。300部限定で発行されたパスポート所持者だけが中に入れるようだ。

運営は卯城氏を含む3人で、オフィシャルホームページには「【SUPPORT】Smappa!Group」とある。Smappa!Groupは新宿・歌舞伎町のホストクラブであり、Chim↑Pomのエリイさんの夫が会長を務めているらしい。パトロンになっているということだろうか。

ネオ・ダダの拠点→画家・武蔵美の教授の自宅→カフェ→Chim↑Pomのスタジオ→会員制アートスペース(歌舞伎町のホストクラブによるサポート)、という興味深い遍歴がまた新たに加わったようだ。

続きを読む

a_maga_l / Can’t Sleep リリース

a_maga_lの新曲をリリースしました。

各種サブスクはこちら

bandcampはこちら
bandcampには歌詞カードがつきます。
At bandcamp, You can get lyrics pdf with English translation.

Can’t Sleep
Written and Produced by a_maga_l
Mixed by 岡田靖 OKADAYASUSHI
Masterd by KIMKEN STUDIO

HASAMI groupのホームページから検証される何か

HASAMI groupという音楽グループがいます。とても魅力的な曲をたくさんつくっています。

彼らには「Internet Lovers」「インターネット向きすぎ君」というタイトルの楽曲があり、また、彼らのYouTubeのチャンネルには「YouTubeベストビデオ100」というYouTube上に無数にある動画の中から「素晴らしい」ものを100個選定して紡いだ、恐らくは大変な労力を割いて作られたと思われるMIX動画が複数個ある(2021年現在9個ある)。これらのことから推測されるように、彼らは大変にインターネットが好きなようだ。

インターネットを好いている音楽家が、自身のホームページをどのように作っているのか気になり、見てみた。果たしてそれは大変興味深いホームページであった。このホームページを詳細に調べることで、何事かに触れることになるかもしれない、ひょっとするとアウトサイダーアートが発生した瞬間を発見することになるかもしれない、そんな予感を抱き、私は解析を始めた。

続きを読む

新宿ホワイトハウスをめぐる冒険(6)

四人目の住人

2020年9月現在、美術チームChim↑Pomが新宿ホワイトハウスを拠点にしているという情報を得た。

参照:neol.jp 街とアート特集:「世界は繋がってるから影響しあっていて、現代アートはそのマッピングのきっかけになる」エリイ(Chim↑Pom) & 和田彩花 インタビュー

写真に写っているのはあの新宿ホワイトハウスの階段のようだ。

彼らのオフィシャルホームページを見ると「Studio : 《新宿ホワイトハウス》」と記載されていた。住所も間違いない。あのホワイトハウスだ。いったいいつからだろう。

続きを読む

Moe and ghostsに何度も驚く

「女のラップってなんか物足りないよね」という無知な者にはMoe and ghostsの「幽霊たち」を聞かせれば話は済む。幽霊たちはそのくらいに決定的なアルバムだ。

幽霊たちは2012年の8月に発売された。何年か経って聞くたびに、やっぱいいな、と驚くことになる。

Moe and ghostsはラッパーの萌さんとトラックメイカーのユージーン・カイムさんの二人のユニットらしい。二人なのにユージーン・カイムさんは「and ghosts」に集約されていいのだろうか。また、なぜ「ghosts」と複数形なのだろうか。サンプリングした全ての音楽家たちを含む、という心意気なのだろうか。

インタビューではトラック制作について

本格的に曲を作ったのは今回がはじめてです。

ユージーン・カイム ototoyのインタビュー

と語っている。はじめてでこんな音を作れるのだろうか。楽器が弾ける人という気がする。全曲でベースが非常に効いているので、そう思われる。スネアの音が特徴的で、上物はサンプリングが主体だが、ビートは自分で組んでいると思われる。後にベースを足しているのではないだろうか。

ユージーン・カイムさんというのは萌さんの「友人・向井さん」なのだろうか。「向井ユウジさん」なのだろうか。あるいは萌さんは「友人・皆無」つまりトラックメイカーはそもそも存在せず、萌さんがトラックも作っている一人のプロジェクトなのだろうか。そうだとしたら「and ghosts」というアーティスト名もしっくりくる。萌さんのラップはどこか知性とパラノイアが混ざったような印象を受け、淡々としながら畳みかける歌い方もあいまって「友人・皆無」であっても不思議ではないような気もする。

続きを読む

会田誠が買ってきたコロッケ VS 平野レミのレシピ

会田誠は一般家庭でコロッケが調理されることに疑問を持っている。

コロッケ、僕も家で食いたいと思わない。炭水化物のじゃがいも、オカズ力ないし。油すぐ傷むし、少量油でやると「それなり」になっちゃうし、揚げ物自体が少人数家族には向いてない。商店街のコロッケやメンチ買って歩き食いが一番。

会田誠のtwitter 2018.06.14

僕は外でステーキを食う人の気がしれない(外国滞在中は除く)のと同時に、家でコロッケや餃子を作る人の気もしれない(大家族は除く)。自分で作って自分で食う/家族に食べさせるといったことに特段の喜びを感じず、ただ淡々と家事労働と食費のコスパを計算すればそうなる。

会田誠のtwitter 2020.01.22

2018年の記述と2020年の記述、どちらにも「少人数家庭には向いていない」「大家族は除く」という注釈があることに注目したい。「買って歩き食いが一番」と書いていることから、食べ物として味を否定しているわけではないことがわかる。会田誠が提示しているのは、

4~5人家族で一度にコロッケを作る量は多くても20個くらいであろう、そのために1時間くらいかけて、タネをゆでたり炒めたりする→形を形成する→小麦粉、溶き卵、パン粉をまぶす→揚げる、それだけ手間暇かけて作ったものが果たして肉屋のコロッケより安く・おいしいのだろうか?

という疑問だと思う。

「お母さんが作ったコロッケはおいしい」という存在しない幻想によって、多くの人が不幸になっているのではないだろうか。

続きを読む

a_maga_l / 貧すれば鈍す(Guitar: Michael Kaneko)

origami Home Sessionsの音源を使ってラップしました。

貧すれば鈍す(Guitar: Michael Kaneko)という曲です。
この曲はorigami Home SessionsのMichael Kanekoさんのギターを使用しています。

中華一番というHIPHOPクルー

見ていて、こんなに幸せな気分になる写真が他にあるだろうか。これは中華一番という札幌のHIPHOPチームの写真だ。全員笑顔が素敵だし、ホスト風の美意識を持っていそうな人物がいることが、不敵な多様性を感じさせる。

彼らのオフィシャルホームページには、この写真に「REAL STREET CHILDREN」というキャッチコピーが添えられている。明らかに頭悪そうに見える芸術家特有の言葉の鋭さを彼らは持っている。その点ではどついたるねんとの共通性を見出せそうだ。奇しくも、彼らが殺害塩化ビニールからリリースしたCD作品「クレイジーレズ」(すさまじいタイトルだ)のマスタリングは、どつのうーちゃんが担当したらしい。

続きを読む