新宿ホワイトハウスにどついたるねん入場
ママさんはどついたるねんのメンバーの二人を、カフェの店員として雇った。
突出した詩人であるがゆえか、どついたるねんは社会に適合するのが困難だった。いかに困難であるかの一例を、本人の証言により下記の動画で確認することができる。
だから彼らに仕事を与えたというのは、経済的な意味でママさんの功績であった。が、重要なのはそこではない。功績の最も重大な点は、どついたるねんとネオ・ダダをつなげたことだ。
どついたるねんとネオ・ダダの共通点
尿
どついたるねんは2008年に活動を開始する。2011年に1stアルバム「ダディ」を発売するが特に注目されることはなく、プロモーションのために2012年5月から、YouTubeにMVなどの動画を一日一つアップするという「毎日動画」と呼ばれる活動を始めた。当時日本ではYouTuberはまだギリギリ一般的ではなく、この活動は斬新であり、彼らは動画を作ることに力を入れるようになる。斬新だったが、特に話題にはならなかった。この時の映像作品は、「どついたるねんBEST」というCD&DVDで見ることができる。
2013年10月23日、毎日動画を撮影・編集していた協力者、岩淵弘樹のYouTubeのアカウントがYouTubeにより凍結・停止され、それまでの動画はすべて消えた。原因は毎日動画にYouTubeの規約を違反したものが複数あったことによる。
メンバーが風呂場でチャーハンをぶちまけながら浴槽内ででんぐり返しをする様子を上から撮影した動画や、メンバーの友人の陰部が映った動画などに警告があったようだが、最後の警告は、メンバーが他のメンバーに向かって風呂場で放尿する動画であった。
放尿によりYouTubeから締め出しをくらう。これは、53年前に尿が原因で日比谷画廊から締め出されたネオ・ダダと全く同じではないだろうか。
メンバーを海に落とす、噴水に落とす
毎日動画はMVやライブ映像を一日一本アップするという高い志があったようだが、ネタはすぐにつき、メンバーが駅前の噴水の前でじゃれあい、一人を噴水に落とす、といった程度の動画も多く含まれる。これなど、ネオ・ダダのビーチ・ショーと同じである。
エロ媒体からの取材
ネオ・ダダはメディアから脚光を浴びたようだが、エロ雑誌から取材を受けたことがあった。詳しくは日本美術オーラル・ヒストリー・アーカイヴのギューチャンのインタビューを参照されたし –ネオダダの夜の座談会-。バーでネオ・ダダの面々がエロ話をした記事らしい。
どついたるねんもエロメディアに好かれ、彼らのライブのステージ上でポルノ男優・女優が絡むというAVがある(どついたるねんメンバーは通常通り音楽ライブをしただけで、女優との絡みはない)。
エロメディアに好かれ、また快く出演するというのも両者の共通点だ。
デモに参加
どついたるねんは2011年、高円寺の脱原発デモに参加し、軽トラの上で演奏をしている。その時の姿は、メンバー全員がブルース・リーの黄色いジャージ姿で、サッカーのロナウドの大五郎カットという髪形であった。その後メンバーが原発について何か発言するのを、私は聞いたことがない。これは、ネオ・ダダの安保記念イベントを彷彿とさせる。
50年の時を超えて交わる魂
当ブログ筆者はどついたるねんのファンであり、ネオ・ダダについては後から知ったのだが、ネオ・ダダの活動を知るにつけ両者に共通項が浮かび上がり、
目立ちたい
と願う若い芸術家の魂が、50年の時を超えて一つの建物で交わっている様に感動を禁じ得ない。
続く・・・