金原ひとみさんのエッセーがWEBで連載されています。
パリの砂漠、東京の蜃気楼
2018年11月から月に一度更新されているようです。やったー。
どの記事も最高なのですが、一つ気になるものがありました。金原さんが好きなバンドについて書いている記事です。
フェス
そこには、いかに金原さんがそのミュージシャンに救われたか(「 純度百パーセントの幸福 」「 見上げればいつもそこで輝いていた星のようなもの 」「 救済 」「 あのバンドが存在するこの世に生まれてきて良かった 」などの言葉で)つづられており、また、同じバンドを好きな友人、ライブ後に行ったマッサージ店のマッサージ師さん、ある小説に救われた過去を話してくれた友人との交流から感じた
こうして藁をも掴むように言葉や音楽から力をもらい息をつなぐ人たちがたくさんいるのだという事実こそが、星を見失ったとしてもどこかへ立ち向かう力を与えてくれるような気がした 。
フェス
という、もう一つの別の視点で締められた、とても暖かいエッセーでした。
金原さんがここまで好きになったバンドって誰なんだろうと気になりました(記事では名前は伏せてあります)。誰か特定してるかな、と思いググってみたのですが、わかりませんでした。
わからなかったのですが、ツイッター上で金原さんファンが金原さんのことを「ひとみ姉さん」と表記していたことが面白かったです。わかるわー、ひとみ姉さんと呼びたくなるー。
何年か前に読んだひとみ姉さんの「憂鬱たち」という短編集をもう一回読みたくなりました。
憂鬱たち
調べたのですが、この本は私が見た限りではどこも「在庫なし」「現在ご注文を受け付けておりません」と記載されていました。ひょっとして2019年現在増版していないのでしょうか。結局古本屋で探してゲットしました。
改めて読んだのですが、ひとみ姉さんの作品はシリアスなものが多いと思うのですが、これはひたすら笑えます。
精神科に行こうと家を出たのに、なぜかバーでバイトの面接を受けている神田憂、なぜか服屋でミンクのコートを買おうとする神田憂、なぜか電気マッサージ器を買おうとする神田憂、現れる店員のカイズさん、バーテンダーのウツイくん、税理士のカイズさん、コンビニ店員のウツイくん・・・
こんな面白い小説絶版にしないでー。
追記
件のバンドは ELLEGARDEN だと思う、という情報をいただきました。調べてみると、いろいろな年数が一致します。果たして・・・